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オーストラリアの介護・福祉制度
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オーストラリアは2024年時点で人口2,671万人、 そのうち65歳以上が17.7%、75歳以上が8.2%を占めます。
連邦が高齢者ケアを一手に持つ
オーストラリアでは高齢者ケアの財源と制度設計を連邦政府が握っています。 医療や障害福祉が州と分担なのに対して、高齢者ケアは連邦の所管という切り分けです。 財源は税で、保険料を集める形は取っていません。 利用したい人はまず全国共通の窓口に申し込み、 派遣された評価者が心身の状態と暮らしぶりを見て必要度を判定します。 判定の結果に応じて、家事や送迎のような軽い支援から、 在宅で継続的にケアを受ける段階、施設に入る段階まで振り分けられます。
王立委員会が「放置」と名指しした
2018年に設けられた高齢者ケアの質と安全に関する王立委員会は、 3年をかけて全国の施設と在宅サービスを調べ、 最終報告に「Neglect(放置)」という題を付けました。 人手不足、栄養状態の悪さ、身体拘束と向精神薬の多用、 在宅サービスの長い待機が具体的に列挙され、 制度の作り直しが勧告されました。 この報告が、その後の法改正の直接の引き金になっています。
新しい高齢者ケア法と、在宅への移し替え
勧告を受けて高齢者ケア法が全面的に書き換えられ、 2024年に成立した新法が2025年に施行されました。 新しい法律は事業者の義務を並べるのではなく、 高齢者の権利を先に置く組み立てになっています。 あわせて在宅の支援が「Support at Home」という一本の仕組みにまとめられ、 それまで段階別に分かれていた在宅ケアの枠組みを置き換えました。 施設に入る前の段階で暮らしを支える方向に重心を移す、というのが一連の変更の筋です。
負担は資産と所得を見て決める
費用は公費が大部分を持ちますが、支払える人には支払ってもらう設計です。 施設でも在宅でも、資産と所得を調べたうえで自己負担が決まり、 年ごとと生涯の上限が設けられています。 上限に達したあとは公費が引き受けます。 施設の宿泊費については、まとまった額を預ける形と 日割りで払う形を本人が選べます。 預けた分は退去時に返ってきます。
- Aged Care Act 2024/オーストラリア連邦法令登録簿(英語)
- GEN Aged Care Data/オーストラリア保健福祉研究所(AIHW)(英語)
- Aged care(統計と報告)/オーストラリア保健福祉研究所(AIHW)(英語)
この国の人口と寿命
日本と比べる
| 項目 | オーストラリア | 日本 |
|---|---|---|
| 65歳以上の割合 | 17.7% | 29.8% |
| 75歳以上の割合 | 8.2% | 17.2% |
| 平均寿命 | 84.1歳 | 84.9歳 |
| 65歳時点の平均余命 | 22.1年 | 22.6年 |
日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。
使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
- 世界の介護制度と日本の違い/保険でまかなう国・税でまかなう国・自助を軸にする国の分かれ方
- 介護保険とは?/日本の介護保険のしくみ。誰が払い、誰が使えるか
- 介護保険の自己負担割合/1割・2割・3割の分かれ目と、上限のしくみ
ほかの国の介護・福祉制度
このページは国連加盟193か国ぶんあります。オーストラリアに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。
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ヨーロッパ43か国
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- United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
- 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)