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フィリピンの介護・福祉制度
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フィリピンは2024年時点で人口1億1,584万人、 そのうち65歳以上が5.5%、75歳以上が1.4%を占めます。
六十歳から一括りの割引と免税
フィリピンの高齢者施策は、 割引と免税を軸に組み立てられているところに特徴があります。 二〇一〇年の拡大高齢者法により、 六十歳以上の人は、 薬、医療、交通、飲食、宿泊などで二割の割引を受けられます。 同時に、その支払いには付加価値税がかかりません。 現金を配るのではなく、 支払う額そのものを下げるという方法です。 財政の負担が事業者側に一部移るため、 国の予算だけで賄うより広く行き渡らせやすい反面、 現金収入がほとんどない高齢者にとっては、 そもそも買う場面がなければ恩恵が届きにくいという限界もあります。
自治体に高齢者の窓口を置く
制度を動かしているのは自治体の窓口です。 市と町のそれぞれに高齢者担当の事務所を置くことが法律で決まっています。 ここが身分証を発行します。 割引を受けるにはこの証明書が要るため、 制度に入る入口がこの窓口になります。 所長は地域の高齢者のなかから市長が任命し、 任期が定められています。 高齢者の名簿を作り、 給付の対象になる人を把握するのもこの窓口の仕事です。 自治体ごとに体制の差が大きく、 専任の職員がいるところと、他の業務と兼ねているところがあります。
年金の無い高齢者への月々の給付
年金を受け取っておらず、 支えてくれる家族もいない高齢者には、社会年金と呼ばれる給付があります。 実施するのは社会福祉開発省です。 長く月五百ペソに据え置かれていましたが、 二〇二二年の法律で倍額に引き上げられ、 二〇二四年から実際の支給額が上がりました。 対象の範囲も段階的に広げられています。 フィリピンは海外で働く人が多く、 その送金が高齢の親の生活を支えている家庭が多数あります。 公的な給付は、送金の届かない世帯を拾う位置づけになっています。
長寿を祝う現金と、介護は家族が担う
百歳になった人に現金を贈る法律が以前からありましたが、 二〇二四年の法律でこれが広げられました。 八十歳、八十五歳、九十歳、九十五歳の節目にも現金が贈られ、 百歳の額はそのまま維持されています。 高齢者施策を束ねる機関として、 二〇一九年の法律で国家高齢者委員会が置かれました。 それまで複数の役所に分かれていた事務を、 一つの委員会に集める狙いです。 介護を対象にした保険はありません。 入所施設もごく限られており、 日々の世話は家族が担うのが前提です。 子や孫が同居して面倒を見るという形が、 制度の想定としても、実態としても続いています。
- Republic Act No. 9994(拡大高齢者法)/フィリピン 官報(Official Gazette)(英語)
- Expanded Centenarians Act(拡大百寿法)/フィリピン 国家高齢者委員会(NCSC)(英語)
- National Commission of Senior Citizens/フィリピン 国家高齢者委員会(NCSC)(英語)
- Department of Social Welfare and Development/フィリピン 社会福祉開発省(英語)
この国の人口と寿命
日本と比べる
| 項目 | フィリピン | 日本 |
|---|---|---|
| 65歳以上の割合 | 5.5% | 29.8% |
| 75歳以上の割合 | 1.4% | 17.2% |
| 平均寿命 | 69.9歳 | 84.9歳 |
| 65歳時点の平均余命 | 14.1年 | 22.6年 |
日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。
使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
- 世界の介護制度と日本の違い/保険でまかなう国・税でまかなう国・自助を軸にする国の分かれ方
- 介護保険とは?/日本の介護保険のしくみ。誰が払い、誰が使えるか
- 介護保険の自己負担割合/1割・2割・3割の分かれ目と、上限のしくみ
ほかの国の介護・福祉制度
このページは国連加盟193か国ぶんあります。フィリピンに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。
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- United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
- 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)