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ギリシャの介護・福祉制度

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ギリシャは2024年時点で人口1,005万人、 そのうち65歳以上が23.9%、75歳以上が12.3%を占めます。

介護保険が無く、家族が抱えてきた

ギリシャには、介護そのものを対象にした社会保険がありません。 医療保険は皆が入りますが、 日々の身の回りの世話は家族が担うものとされてきました。 同居して面倒を見るのが当たり前という前提が長く続き、 制度はその前提の上に建てられています。 年金は家族全体の生活費として使われ、 高齢者の年金で成人した子の世帯が支えられている例も珍しくありません。 そこに二つの変化が重なりました。 一つは、二〇一〇年代の財政危機で年金が削られたこと。 もう一つは、子の世代が仕事を求めて都市や国外へ出たことです。 家族が担う前提そのものが揺らいでいるのに、 代わりの仕組みがまだ育っていない、というのが現在の姿です。

在宅支援は自治体の事業として置かれた

公的な在宅支援の中心は「家庭への手助け」と呼ばれる自治体の事業です。 一九九〇年代の終わりに始まり、全国の自治体に広がりました。 対象は、六十五歳以上で身の回りのことが十分にできない人と、 障害の程度が公的な機関に認定された人です。 社会福祉士、看護師、家事の介助員が組になって家を訪ね、 掃除や買い物、服薬の見守り、行政手続きの手伝いをします。 利用者の負担はありません。 長いあいだ期限付きの事業として更新を繰り返してきたため、 働く人の身分が不安定で、募集のたびに担い手が入れ替わる問題を抱えていました。 二〇一〇年代の終わりの法改正で、自治体の正規の職として位置づけ直されています。

日中の居場所と、重い人の預かり

自治体にはもう二つ、高齢者向けの場があります。 一つは開放型の保護センターと呼ばれるもので、 地域の高齢者が集まって過ごす場所です。 健康相談や運動、催しが行われ、介護が必要かどうかにかかわらず使えます。 もう一つは日中ケアセンターで、 一人にしておけない状態の高齢者を昼のあいだ預かります。 送迎と食事、入浴の介助が付き、 家族が働いているあいだの受け皿になります。 欧州の資金で整備が進められてきたため、 資金の切れ目で運営が止まる施設が出るという弱さがあります。

個人アシスタントが法律で入った

二〇二一年の法律で、障害のある人に個人アシスタントを付ける仕組みができました。 本人が自分でアシスタントを選び、 何をどう手伝ってもらうかを決めるという考え方です。 費用は国が持ち、福祉・社会連帯給付機構が事務を担います。 始まりは限られた地域と人数の試行で、そこから段階的に広げられてきました。 財源には欧州の復興基金が使われています。 ただしこの仕組みは、対象を障害のある人に限っています。 年齢とともに介護が要るようになった高齢者は入りません。 在宅の支援と個人アシスタントの二つが並んでいながら、 そのあいだに落ちる人がいる、という指摘が続いています。

この記述の出どころ
  1. Προσωπικός Βοηθός(個人アシスタント)/ギリシャ 福祉・社会連帯給付機構(ΟΠΕΚΑ)(ギリシャ語)
  2. Βοήθεια στο Σπίτι(家庭への手助け)/ギリシャ 社会結束・家族省(ギリシャ語)
  3. 個人アシスタント制度の実施開始/ギリシャ 労働・社会保障省(ギリシャ語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合23.9%
75歳以上の割合12.3%
平均寿命82.0
65歳時点の平均余命20.1

ギリシャの年齢別人口ギリシャの平均寿命

日本と比べる

項目ギリシャ日本
65歳以上の割合23.9%29.8%
75歳以上の割合12.3%17.2%
平均寿命82.0歳84.9歳
65歳時点の平均余命20.1年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかの国の介護・福祉制度

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)