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レバノンの介護・福祉制度

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レバノンは2024年時点で人口581万人、 そのうち65歳以上が10.1%、75歳以上が3.8%を占めます。

国立社会保障基金の三つの部門

レバノンの社会保障は、 国立社会保障基金(الصندوق الوطني للضمان الاجتماعي)が担っています。 基金は社会保障法の編ごとに三つの部門に分かれています。 第二編が疾病・出産保障部門、 第三編が家族手当、 第四編が勤続終了補償です。 それぞれに独立した規程があり、 基金の頁も部門ごとに分かれています。 日本の公的年金にあたる老齢年金は、 この三つの中にありません。 高齢期の給付は第四編の勤続終了補償、 つまり働き終えたときに一度きり受け取る一時金の形を取っています。 毎月の年金として払い続ける仕組みではないところが、 レバノンの社会保障の大きな特徴です。

未施行のままの退職・社会保護法

一時金を年金に切り替えるための 「退職・社会保護法(قانون التقاعد والحماية الاجتماعية)」は、 すでに作られています。 ただし施行はされていません。 基金の記録には、 市町村の職員を三つの部門に加入させることを承認したとき、 あわせて 「退職・社会保護法が施行に移されたときには、 その規定にも服させる」 と決めた経緯が残っています。 新しい法律の存在を前提にしながら、 施行の日はまだ来ていないという書き方です。 制度が二重に置かれたまま動いている状態で、 現に給付が行われているのは 旧来の三部門のほうです。

基金が抱えている人数と支払い

基金が公表している数字では、 賃金労働者の被保険者が四十万九千七十八人、 任意加入者が一万九千六百五十五人、 契約している医師が九千五百三十八人、 医療の給付を受けている人が百二十七万三千九十七人です。 支払いの側の数字も出ています。 二〇二六年八月の時点で、 八か月のあいだに十五回、 合計四千五百万ドルを 病院と医師に支払ったと総裁が公表しました。 月あたりおよそ五千百億レバノン・ポンドにあたります。 医療機関に現金が回らなくなると 被保険者が診てもらえなくなるため、 基金が定期的に流動性を入れることが 制度を保つ仕事そのものになっています。

窓口と電子手続き

基金の本部はベイルートのバグダッド通りにあります。 窓口に行かずに済むよう、 電子サービスが十一種類そろえられています。 口座の開設、 QRコードで基金の認証が付いた就労証明の発行、 被保険者が扶養している人 (親、配偶者、子)についての社会調査書の発行、 扶養されている人の確認、 手続きの進み具合の照会 (薬と検査の医療給付、勤続終了補償のそれぞれ)、 来所の予約、 苦情の申し立て、 様式の取得、 通達と情報覚書の閲覧、 承認名簿 (病院、薬、医師、検査室、薬局)の閲覧、 広報局のニュースの閲覧です。 総裁の通達は、 薬の製造ロット番号の照合、 高等教育機関の在学証明の扱い、 担当医名の照合、 分割納付の申請の進め方といった 実務の細かい指示が中心です。

この記述の出どころ
  1. الصندوق الوطني للضمان الاجتماعي(国立社会保障基金)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)
  2. فرع ضمان المرض والأمومة(疾病・出産保障部門)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)
  3. فرع تعويض نهاية الخدمة(勤続終了補償部門)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)
  4. الخدمات الالكترونية(電子サービス)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)
  5. أخبار(ニュース)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)
  6. تعاميم المدير العام(総裁通達)/レバノン 国立社会保障基金(CNSS)(アラビア語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合10.1%
75歳以上の割合3.8%
平均寿命77.9
65歳時点の平均余命17.7

レバノンの年齢別人口レバノンの平均寿命

日本と比べる

項目レバノン日本
65歳以上の割合10.1%29.8%
75歳以上の割合3.8%17.2%
平均寿命77.9歳84.9歳
65歳時点の平均余命17.7年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)