ゼロトゥワン / 国から探す / ナウル / 介護・福祉制度
ナウルの介護・福祉制度
公開 最終更新
ナウルは2024年時点で人口1万人、 そのうち65歳以上が2.9%、75歳以上が0.4%を占めます。
Nauru Superannuation Scheme(ナウル退職年金制度)
ナウルの社会的保護は、 拠出のある社会保険と、 税でまかなう社会扶助に分かれています。 社会保険にあたるのはナウル退職年金制度、 NSSです。 NSSは2018年7月1日から、 ナウルのすべての被用者に年金を提供しています。 根拠は2018年ナウル退職年金法とその後の改正です。 運営はニュージーランドのSuperLifeという年金基金が行い、 その関係をナウル財務省が管理し、 法の遵守は国税庁が受け持ちます。 NSSは確定拠出の制度で、 雇用主と被用者がそれぞれ年金対象給与の5パーセントを拠出します。 2019年7月1日からは、 従業員が1人でもいるすべての雇用主に義務づけられました。 加入できるのは、 雇用主と役務の契約があり、 居住者であり、 18歳以上の人です。 55歳に達して退職すると、 積み立てた全額の引き出しを申請できます。 在職のままでも、 加入から2年以上たてば任意拠出の分を引き出せますが、 2年に1度、 500豪ドルを下回らない額に限られます。 医学的に確認された全部で恒久的な就労不能があれば、 退職の前でも引き出せます。 加入者が亡くなったときは、 指名した人が全額を受け取ります。 指名した人が18歳未満のときは、 18歳になるまでNSSに留め置かれます。 2012年に年金を受けていたのは33人ほどでしたが、 2020年6月には加入する被用者が4千153人、 雇用主がおよそ52になりました。 NSSの規模は2020年6月で490万豪ドル、 四半期の拠出はおよそ80万豪ドルです。
Aged Benefit(高齢者手当)
高齢者手当は2005年に始まり、 高齢の人の基本的な暮らしの費用を助けることを目的にしています。 対象は60歳以上のすべての人です。 受け取るには、 ナウル国民であること、 島に住んでいること、 仕事に就いていないこと、 退職年金を受け取っていないことが要ります。 年齢と国籍は、 登記官事務所が出す出生証明か帰化証明の原本で確かめます。 この書類と就労の状況を示すものを、 登記官事務所が財務省に送り、 高齢者手当の登録簿に加えるよう求めます。 書類が申し立てを裏づけていれば、 省は登録簿に加え、 2週ごとの支払伝票を作ります。 財務次官が承認すると、 60歳から69歳の人には2週ごとに250豪ドル、 70歳以上の人には2週ごとに300豪ドルが支払われます。 月にすると500豪ドルと600豪ドルにあたります。 財務省が本人の口座に振り込むか、 小切手を出します。 小切手のときは、 本人か委任を受けた人が財務省で受け取り、 国税庁で現金にします。 有給の仕事に就く、 国外へ移る、 亡くなる、 退職年金を受け取るようになると、 登録簿から外されます。 この制度の規模は2019年から2020年で298万1千78豪ドル、 2020年から2021年の予算案は386万5千豪ドルです。 男女別の受給者数は分かっていません。
Disabled Benefit(障害者手当)
障害者手当は2008年に始まり、 障害のある人の基本的な暮らしの費用を助けます。 ナウルは2012年に障害者の権利に関する条約を批准しましたが、 その内容を国内法にする作業はまだ済んでいません。 障害政策は2015年に草案ができ、 閣議の承認を待っています。 手当は、 働いて暮らしを立てられない障害のある人に、 公務の給料日に合わせて2週ごとに250豪ドルが、 使いみちを問わない現金として支払われます。 受け取るには、 ナウル国民であること、 障害が確認されていること、 有給の仕事に就いていないこと、 退職年金を受け取っていないことが要ります。 国籍は出生証明か帰化証明の原本で示します。 障害については、 保健次官から財務次官へ宛てた書面が要り、 そこに医療サービス局長の報告を添えます。 報告は、 障害の評価を行ったことと、 その状態が働いて暮らしを立てる力を損なっていることを確かめるものです。 財務省が請求を審査して登録簿に加え、 2週ごとの支払伝票を作り、 財務次官が承認すると、 振込か小切手で支払われます。 課題も挙げられています。 障害が身体のものに限られていて、 精神の障害のある人が入っていないこと、 差別を訴える仕組みが無いために外されてしまう人がいること、 制度を知らない家族が多いこと、 受給者の数さえ把握できていないこと、 支払いが遅れることがあり、 その理由が分かっていないことです。 2015年で国内総生産の0.7パーセント、 2017年で受給者は158人、 人口のおよそ1.4パーセントでした。 2020年から2021年の予算案は162万5千豪ドルです。
Parliamentary Pension Fund と制度の運び方
議会年金基金、 PPFは2008年に設けられ、 2008年議会年金法に基づいて動いています。 国会議員を対象とする確定給付の基金で、 議員本人は拠出しません。 2018年から2019年度以降、 政府が年84万豪ドルを5回にわたって補っています。 NSSと同じくSuperLifeが運営し、 2020年6月の規模は167万豪ドルです。 受け取るには、 通算9年以上務めたことと、 常勤の職に就いておらず、 国や国有企業から給与を受けていないことが要ります。 額は2週ごとに300豪ドルを基本とし、 9年を超えた1年ごとに2週あたり5豪ドルが加わります。 副議長、 議長、 大臣、 大統領を務めた人には、 その在任1年ごとにさらに2週あたり5豪ドルが加わります。 ナウルの国籍を捨てると権利を失います。 亡くなった議員の寡婦・寡夫は、 退職後は終身、 満額を受け取れます。 その人も亡くなり17歳未満の被扶養者がいれば、 17歳になるまで議会年金1人分を受け取ります。 ナウルには社会的保護を専門に扱う省はありません。 財務省が支払いだけを担い、 障害者手当については障害者省、 保健省、 女性・社会開発省と、 就学の制度については教育省と社会福祉省と、 出生と死亡の給付については出生・死亡・婚姻登記官事務所と共和国病院と、 高齢者手当については登記官事務所と、 書式や証明書や次官の推薦状でやりとりします。 社会扶助はすべて、 要件を満たす集団を一律に対象とする方式で、 資力の調査はしません。 書類を揃えた人が財務省に自分で登録します。 一方で、 苦情や不服を申し立てる仕組みは示されておらず、 受給者を一元的に管理する台帳が無く、 共通の番号も無いため、 一人がいくつの制度を使っているかを政府が把握できていません。
- National Social Protection Strategy 2022–2032/ナウル共和国政府 財務省(英語)
- Social Welfare Division/ナウル共和国政府 財務省(英語)
この国の人口と寿命
日本と比べる
| 項目 | ナウル | 日本 |
|---|---|---|
| 65歳以上の割合 | 2.9% | 29.8% |
| 75歳以上の割合 | 0.4% | 17.2% |
| 平均寿命 | 62.3歳 | 84.9歳 |
| 65歳時点の平均余命 | 12.4年 | 22.6年 |
日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。
使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
- 世界の介護制度と日本の違い/保険でまかなう国・税でまかなう国・自助を軸にする国の分かれ方
- 介護保険とは?/日本の介護保険のしくみ。誰が払い、誰が使えるか
- 介護保険の自己負担割合/1割・2割・3割の分かれ目と、上限のしくみ
ほかの国の介護・福祉制度
このページは国連加盟193か国ぶんあります。ナウルに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。
ミクロネシア4か国
オセアニアのほか9か国
ほかの地域も開く(179か国)
アジア47か国
アフリカ54か国
アメリカ大陸33か国
ヨーロッパ43か国
北アメリカ2か国
- United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
- 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)