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オーストリアの介護・福祉制度
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オーストリアは2024年時点で人口912万人、 そのうち65歳以上が20.6%、75歳以上が10.1%を占めます。
現金を渡して、使い方は任せる
オーストリアの介護制度の中心は介護手当(Pflegegeld)です。 1993年に始まり、必要な介助の量に応じて毎月現金が支払われます。 所得も資産も問われません。年齢の制限もなく、 子どもから高齢者まで同じ制度の中にいます。 使い道も指定されません。 家族に渡すことも、事業者を雇うことも、施設の費用に充てることもできます。 サービスを国が用意して割り当てるのではなく、 お金を渡して選ばせるという考え方です。
7段階は、必要な介助の時間で決まる
手当の段階は7つあります。 判定は、1か月にどれだけの時間の介助が必要かという尺度で行われ、 医師などが本人を訪ねて評価します。 段階が上がるほど支給額も上がります。 要介護度を心身の状態そのもので表すのではなく、 必要な手間の量に置き換えて測るところに特徴があります。
24時間ケアという、国境をまたぐ担い手
重い介護が必要になった家庭では、 住み込みの介護者を2週間ほどで交代させながら置く形が広く行われています。 担い手の多くはスロバキアやルーマニアから来ており、 自営業者として登録して働きます。 この働き方は2007年に法律で位置づけられ、 条件を満たす世帯には助成も出ます。 制度が家庭の実態を追認した例として、しばしば取り上げられます。
資産の差押えをやめた
かつては施設に入った人の資産を、 費用の回収のために行政が差し押さえることができました。 これは2018年に廃止されました。 現物のサービス、つまり訪問介護や通所、施設の整備は 連邦ではなく州(Bundesland)の責任です。 現金は全国一律、サービスは州ごと、という二階建てになっているため、 どこに住むかで受けられる中身が変わります。
- Pflege und Betreuung(介護と支援)/オーストリア社会省(ドイツ語)
- Pflegegeld(介護手当)/オーストリア社会省(ドイツ語)
- oesterreich.gv.at(行政手続の案内)/オーストリア連邦政府(ドイツ語)
この国の人口と寿命
日本と比べる
| 項目 | オーストリア | 日本 |
|---|---|---|
| 65歳以上の割合 | 20.6% | 29.8% |
| 75歳以上の割合 | 10.1% | 17.2% |
| 平均寿命 | 82.1歳 | 84.9歳 |
| 65歳時点の平均余命 | 20.3年 | 22.6年 |
日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。
使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
- 世界の介護制度と日本の違い/保険でまかなう国・税でまかなう国・自助を軸にする国の分かれ方
- 介護保険とは?/日本の介護保険のしくみ。誰が払い、誰が使えるか
- 介護保険の自己負担割合/1割・2割・3割の分かれ目と、上限のしくみ
ほかの国の介護・福祉制度
このページは国連加盟193か国ぶんあります。オーストリアに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。
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- United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
- 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)