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ケニアの介護・福祉制度

公開  最終更新

ケニアは2024年時点で人口5,643万人、 そのうち65歳以上が3.0%、75歳以上が1.0%を占めます。

70歳以上への現金給付を全員に広げた

ケニアの高齢者施策の柱は、現金給付です。 もともとは、貧しいと判定された世帯の65歳以上に配る形でした。 対象を絞る方式です。 2017年に大統領の指示でこれが変わり、 70歳以上であれば貧富を問わず対象になる形になりました。 選ぶための調査をやめ、年齢だけで区切ったわけです。 登録の要件は、 ケニア国民で70歳以上であること、 有効な国民身分証を持っていること、 本人に代わって受け取りなどを手伝う介助者がいること、 そしてその土地に1年以上住んでいることです。 すでに年金を受け取っている人よりも、 受け取っていない人が優先されます。

配る仕組みを全国に張った

この給付は、障害の重い人向けの給付や、 孤児と弱い立場の子ども向けの給付と同じ枠組みで運ばれています。 まとめて一つの名前で呼ばれ、 全国の47の郡、290の選挙区で実施されています。 受け取り方も整えられました。 携帯電話の短い番号を使って残高を確かめたり、 自分の番号へ送ったりできます。 無料の相談電話も置かれ、 平日の日中に受給者や家族からの問い合わせを受けています。 現金を配る仕組みそのものを作り込んだところが、 この国のやり方の特徴です。

憲法と法律に高齢者の位置づけがある

高齢者の権利は憲法に書かれています。 社会の年長の構成員が尊厳をもって生活し、 社会に参加し、必要な支援を受けられるようにすることを、 国の責務として定めた条文です。 これを受けて、 社会扶助に関する法律が作られ、 現金給付の根拠と実施の体制が定められました。 書かれていることと、 実際に届いているものの間には開きがあります。 支給の遅れや、身分証を持っていない高齢者が登録できない問題が繰り返し指摘されており、 制度の側の改善が続いています。

介護そのものの仕組みは無い

人の手を借りないと暮らせない高齢者を支える公的な仕組みは、 制度としては置かれていません。 日々の世話は家族と親族が担ってきました。 ただし、若い世代が仕事を求めて都市に出ることで、 村に高齢者だけが残る形が広がっています。 子が都市にいて、 仕送りはあっても手は足りないという状況です。 入所して暮らせる施設は、 宗教団体や慈善団体が運営するものが少数あるだけです。 医療の側では保険の仕組みが作り替えられてきましたが、 そこでも介護は対象になっていません。 現金給付から先へ制度を伸ばせるかが、これからの課題です。

この記述の出どころ
  1. The Older Persons Cash Transfer Programme(高齢者現金給付)/ケニア 社会保護局(State Department for Social Protection)(英語)
  2. Social Protection/ケニア 社会保護局(英語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合3.0%
75歳以上の割合1.0%
平均寿命63.8
65歳時点の平均余命14.0

ケニアの年齢別人口ケニアの平均寿命

日本と比べる

項目ケニア日本
65歳以上の割合3.0%29.8%
75歳以上の割合1.0%17.2%
平均寿命63.8歳84.9歳
65歳時点の平均余命14.0年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかの国の介護・福祉制度

このページは国連加盟193か国ぶんあります。ケニアに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)