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マレーシアの介護・福祉制度

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マレーシアは2024年時点で人口3,556万人、 そのうち65歳以上が7.7%、75歳以上が2.5%を占めます。

介護保険は無く、積立と家族が支える

マレーシアには介護保険がありません。 老後の備えの中心は、 働いているあいだに積み立てる従業員積立基金です。 これは年金というより貯蓄に近い仕組みで、 定年のときに積立額を一時金で受け取る形が長く使われてきました。 受け取ったお金を何年で使い切るかは本人次第で、 長生きするほど後半が苦しくなります。 高齢化の速度は速く、 数年のうちに高齢社会に入ると見込まれています。 所得が中程度の段階で高齢化が進むという、 近隣の国々と共通した課題を抱えています。 介護を誰がどう支えるかは、 まだ制度としては固まっていません。

施設は登録しないと開けない

高齢者を預かる施設については、 一九九〇年代の初めに作られたケアセンター法があります。 この法律により、 高齢者や障害のある人を有料で預かる施設は、 社会福祉局に登録しなければなりません。 登録には、建物の条件、職員の数、 記録の取り方などの要件があります。 登録の対象になるのは生活の世話を中心とする施設です。 無登録で運営している施設が摘発されることが繰り返し報じられており、 需要に対して登録された施設の数が足りていないことがうかがえます。

医療を伴う施設の法律が別に作られた

二〇一八年に、 私立の高齢者向け保健施設を対象とする法律が別に作られました。 看護や医療的な処置を伴う施設を、 福祉の側ではなく保健の側の監督に置くという整理です。 生活の世話だけの施設と、 医療が入る施設で、見るべき基準が違うという考えに基づいています。 法律そのものは成立して官報に載りましたが、 施行に向けた準備が続いてきました。 基準を満たせない既存の施設をどう扱うか、 検査を担う体制をどう作るかが、 実際に動かすうえでの論点になっています。

困窮する高齢者への手当と公的な施設

現金の給付としては、 社会福祉局が出す高齢者手当があります。 六十歳以上で、 自分を養う手立てがなく、支えてくれる家族もいない人が対象です。 月ごとに一定額が支給されます。 公的な入所施設としては、 社会福祉局が直接運営する高齢者ホームが各州にあります。 身寄りがなく、費用を負担できない高齢者を受け入れる場で、 数は限られています。 在宅の介護を支える公的な仕組みは薄く、 子が親を引き取って世話をする形が中心です。 共働きが増え、都市へ移る人が増えるなかで、 その前提をどこまで維持できるかが問われています。

この記述の出どころ
  1. Bantuan Warga Emas(高齢者手当)/マレーシア 政府ポータル(MyGovernment)(マレー語)
  2. Perkhidmatan Institusi Penjagaan Warga Emas(高齢者施設のサービス)/マレーシア 政府ポータル(MyGovernment)(マレー語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合7.7%
75歳以上の割合2.5%
平均寿命76.8
65歳時点の平均余命17.5

マレーシアの年齢別人口マレーシアの平均寿命

日本と比べる

項目マレーシア日本
65歳以上の割合7.7%29.8%
75歳以上の割合2.5%17.2%
平均寿命76.8歳84.9歳
65歳時点の平均余命17.5年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかの国の介護・福祉制度

このページは国連加盟193か国ぶんあります。マレーシアに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)