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ネパールの介護・福祉制度

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ネパールは2024年時点で人口2,965万人、 そのうち65歳以上が6.5%、75歳以上が2.1%を占めます。

2006年の高齢者法が土台

ネパールの高齢者施策は、 ネパール暦2063年、西暦2006年に作られた高齢者法が土台です。 この法律が掲げているのは二つです。 一つは高齢者の保護と社会保障。 もう一つは、高齢者が持つ知識、技能、能力、経験を生かし、 高齢者への敬意と親愛を社会のなかで育てることです。 保護だけでなく、 社会のなかでの位置づけを法律の目的に書いている点に特徴があります。 高齢者は60歳以上と定められています。 虐待や遺棄からの保護、 扶養の義務、 医療や交通での配慮などが条文に並びます。

手当は68歳から

現金の給付は、社会保障手当と呼ばれます。 高齢者向けの手当を受け取れるのは68歳からです。 月に4千ルピーほどが支給され、 受け取っている人は全国で200万人を超えます。 特定の集団や、開発の遅れた地域では、 より低い年齢から受け取れる扱いがあります。 支給を始める年齢をいくつにするかは、 予算のたびに議論の的になってきました。 引き下げれば対象が大きく増え、 引き上げれば現に受け取っている人の期待に反することになります。 財政と政治の両方が絡む問題です。

配るのは地方自治体

手当を実際に配るのは、 2015年の憲法で作られた地方自治体です。 受給者は身分証を作り、 それを毎年更新する必要があります。 所管の省は、更新の時期や新規の登録について 繰り返し告知を出しています。 この身分証の仕組みは、 誰が受け取っているかを把握するために置かれていますが、 高齢者にとっては手続きの負担でもあります。 出生の記録が残っていない世代も多く、 年齢の証明そのものが難しいという事情も重なります。

新しい政策を作っている最中

2026年に、国の高齢者政策の草案が公表されました。 草案は、いまの制度が抱える問題と課題をまず整理し、 そのうえで新しい政策がなぜ必要かを述べる構成になっています。 手当を配ることに偏ってきた施策を、 介護や社会参加まで含めた形へ広げようという方向が読み取れます。 ネパールでは、 働き盛りの世代の多くが国外へ出稼ぎに出ています。 村に高齢者だけが残り、 仕送りはあっても身の回りを手伝う人がいないという家庭が広がりました。 家族が担うという前提そのものが崩れつつあるなかで、 公的な介護の仕組みをどう作るかが問われています。 高齢者を預かる施設は、 寺院や慈善団体が運営するものが中心で、数は多くありません。

この記述の出どころ
  1. ज्येष्ठ नागरिक सम्बन्धी ऐन, २०६३(高齢者法・2006年)/ネパール 女性・子ども・ジェンダー・性的少数者・社会保障省(ネパール語)
  2. राष्ट्रिय ज्येष्ठ नागरिक नीति मस्यौदा, २०८३(国家高齢者政策の草案)/ネパール 女性・子ども・ジェンダー・性的少数者・社会保障省(ネパール語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合6.5%
75歳以上の割合2.1%
平均寿命70.6
65歳時点の平均余命13.9

ネパールの年齢別人口ネパールの平均寿命

日本と比べる

項目ネパール日本
65歳以上の割合6.5%29.8%
75歳以上の割合2.1%17.2%
平均寿命70.6歳84.9歳
65歳時点の平均余命13.9年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

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日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)