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デンマークの介護・福祉制度

公開  最終更新

デンマークは2024年時点で人口598万人、 そのうち65歳以上が20.9%、75歳以上が10.4%を占めます。

住まいとケアを、思い切って切り離した

デンマークの高齢者ケアを語るとき、必ず出てくるのが1987年の決断です。 この年、いわゆる老人ホームを新たに建てることをやめ、 高齢者向けの住宅とケアを別々のものとして組み立て直しました。 考え方はこうです。年をとって手助けが要るようになっても、 その人が住んでいるのは施設ではなく自分の住まいであるべきだ。 だから住まいは賃貸契約を結ぶ住宅として用意し、 ケアはそこへ外から届ける。この切り分けが、いまのデンマークの土台になっています。

財源は税、担うのはコムーネ

費用は税でまかなわれ、提供する責任はコムーネ(kommune)にあります。 根拠となるのは社会サービス法(Serviceloven)です。介護保険はありません。 自宅で受ける身の回りの世話(personlig pleje)は無料で提供されます。 掃除や買い物といった家事の手伝いについては、コムーネの判断や所得によって扱いが分かれます。 必要な人に必要なだけ、というのが原則で、支払い能力を理由にケアが受けられないことがないよう組まれています。

倒れる前に、訪ねていく

デンマークの特徴として、予防のための家庭訪問(forebyggende hjemmebesøg)が 法律で定められている点が挙げられます。 まだ支援を受けていない一定年齢以上の人のところへ、コムーネの職員が訪ねていきます。 困ってから申請を待つのではなく、困る前に出向いて様子を見る。 この向きの違いが、要介護になる人を後ろにずらすことに効いていると考えられています。

ケア住宅と、リハビリを先に置く考え方

自宅で暮らし続けるのが難しくなった人は、ケア住宅(plejebolig)に移ります。 ここも施設ではなく住宅で、住む人は賃貸契約を結び、家賃を払います。 近年は、支援を始める前にまず集中的なリハビリを行い、 できることを取り戻してから必要な支援量を決める、という進め方が広がりました。 手を貸すことから始めるのではなく、自分でできる状態に戻すことから始めるという順番の入れ替えです。

この記述の出どころ
  1. Retsinformation — Lov om social service/デンマーク法令情報(デンマーク語)
  2. Social- og Boligstyrelsen/デンマーク社会・住宅庁(デンマーク語)
  3. Sundhedsdatastyrelsen/デンマーク保健データ庁(デンマーク語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合20.9%
75歳以上の割合10.4%
平均寿命82.1
65歳時点の平均余命20.2

デンマークの年齢別人口デンマークの平均寿命

日本と比べる

項目デンマーク日本
65歳以上の割合20.9%29.8%
75歳以上の割合10.4%17.2%
平均寿命82.1歳84.9歳
65歳時点の平均余命20.2年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)