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ドイツの介護・福祉制度

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ドイツは2024年時点で人口8,455万人、 そのうち65歳以上が23.2%、75歳以上が11.4%を占めます。

世界で最初に介護を保険にした国

ドイツは1995年に介護保険(Pflegeversicherung)を始めました。公的な介護保険としては世界で最初で、 日本の介護保険はこのしくみを下敷きにしています。根拠となる法律は社会法典第11編(SGB XI)です。 加入は医療保険に紐づいています。公的医療保険に入っている人は公的介護保険に、 民間医療保険に入っている人は民間の介護保険に、自動的に加入します。 「介護保険は医療保険に従う」と呼ばれるこの原則によって、国民のほぼ全員が何らかの介護保険に属します。

Pflegegrad 1から5へ、判定の物差しが変わった

給付を受けるには、要介護度(Pflegegrad)の認定が必要です。判定を行うのは医療サービス機構(MD)で、 自宅を訪ねて状態を確かめます。 2017年に判定の物差しが大きく変わりました。それまでは体を動かすのにどれだけ手を借りるかを 時間で測っていましたが、新しい物差し(NBA)は、自分でどれだけのことを決めて行えるかという 自立の度合いを、移動、認知と意思疎通、行動と心理、身の回りのこと、病気への対応、 日常生活の組み立てという6つの領域から測ります。 これによって、体は動くけれども認知症で判断が難しい人が、以前より正しく評価されるようになりました。

現物か現金か、家族が選べる

ドイツの制度が日本と最も違うのは、給付を現物(Pflegesachleistung)と現金(Pflegegeld)から 選べる点です。事業所に来てもらう代わりに現金を受け取り、家族や近所の人に介護してもらうことができます。 両方を組み合わせることもできます。 現金を選ぶ人は少なくありません。家族が介護を担う現実を制度が正面から認め、 その負担にお金を渡すという考え方に立っているためです。 介護する家族には年金保険料の肩代わりや、労災保険の適用といった手当てもあります。 ただし現金給付の額は現物給付より低く抑えられており、 家族介護に頼りすぎることへの歯止めがかけられています。

保険料は労使折半、子のない人は上乗せ

保険料は所得に対する定率で、原則として働く人と雇い主が半分ずつ負担します。 子どもがいない被保険者には上乗せの保険料がかかります。 次の世代を育てている人とそうでない人とで負担を分けるという考え方によるもので、 連邦憲法裁判所の判断を受けて導入されました。 介護保険は費用の全額をまかなう設計ではなく、足りない分は本人と家族が負担します。 とくに施設に入った場合の自己負担が重く、それを軽くする改正が繰り返し行われています。

この記述の出どころ
  1. Bundesministerium für Gesundheit — Pflege/ドイツ連邦保健省(ドイツ語)
  2. Sozialgesetzbuch (SGB) Elftes Buch (XI) — Soziale Pflegeversicherung/ドイツ連邦司法省 gesetze-im-internet.de(ドイツ語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合23.2%
75歳以上の割合11.4%
平均寿命81.5
65歳時点の平均余命20.0

ドイツの年齢別人口ドイツの平均寿命

日本と比べる

項目ドイツ日本
65歳以上の割合23.2%29.8%
75歳以上の割合11.4%17.2%
平均寿命81.5歳84.9歳
65歳時点の平均余命20.0年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)