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イタリアの介護・福祉制度
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イタリアは2024年時点で人口5,934万人、 そのうち65歳以上が24.6%、75歳以上が12.8%を占めます。
3つの制度が、つながらないまま並んでいる
イタリアには介護を一本にまとめた制度がありません。 国が出す現金給付、自治体が担う社会サービス、 保健医療の側が出す在宅ケアの3つが、別々の窓口と別々の判定で並んでいます。 同じ人が3つとも使うこともあれば、どれにもつながらないこともあります。 制度の間を誰がつなぐのかが決まっていないことが、 イタリアの介護を語るときにまず挙がる問題です。
付添手当は、所得を問わず定額で出る
国の現金給付が付添手当(indennità di accompagnamento)です。 根拠は1980年の法律で、常時の介助が必要と認められた人に、 年齢にも所得にも関係なく毎月定額が支払われます。 段階はありません。要件を満たすか満たさないかの二択です。 使い道も問われません。 所得を見ないという点で他の国の制度とはっきり違い、 そのぶん必要度に応じた手厚さには欠けます。
バダンテという担い手
現金が出て使い道が自由という組み合わせは、 家庭が介護者を直接雇う形を広げました。 住み込みや通いで高齢者の世話をする人はバダンテ(badante)と呼ばれ、 その多くを東欧や南米から来た人が担っています。 公的なサービスの薄さを、家庭と移民労働で埋めているのが実際のところです。 契約が交わされない働き方も残っており、 働く側の保護と介護の質の両方が課題になっています。
法律104が、家族の側を支える
1992年の法律104は障害のある人の権利を定めたもので、 介護する家族への手当てもここに置かれています。 重い障害のある家族を介護する働き手には、 毎月の有給の休みと、勤務地についての配慮が認められます。 保健の側では、必須のケア水準(LEA)に在宅の統合ケアが位置づけられ、 看護やリハビリが自宅で受けられることになっています。 ただし実際にどれだけ受けられるかは州によって大きく違います。
- LEGGE 11 febbraio 1980, n. 18(付添手当)/イタリア法令データベース Normattiva(イタリア語)
- LEGGE 5 febbraio 1992, n. 104/イタリア法令データベース Normattiva(イタリア語)
- Livelli essenziali di assistenza(必須のケア水準)/イタリア保健省(イタリア語)
- Portale INPS/イタリア社会保障公社 INPS(イタリア語)
この国の人口と寿命
日本と比べる
| 項目 | イタリア | 日本 |
|---|---|---|
| 65歳以上の割合 | 24.6% | 29.8% |
| 75歳以上の割合 | 12.8% | 17.2% |
| 平均寿命 | 83.9歳 | 84.9歳 |
| 65歳時点の平均余命 | 21.4年 | 22.6年 |
日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。
使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
- 世界の介護制度と日本の違い/保険でまかなう国・税でまかなう国・自助を軸にする国の分かれ方
- 介護保険とは?/日本の介護保険のしくみ。誰が払い、誰が使えるか
- 介護保険の自己負担割合/1割・2割・3割の分かれ目と、上限のしくみ
ほかの国の介護・福祉制度
このページは国連加盟193か国ぶんあります。イタリアに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。
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- United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
- 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)