ゼロトゥワン

ゼロトゥワン国から探すスウェーデン / 介護・福祉制度

スウェーデンの介護・福祉制度

公開  最終更新

スウェーデンは2024年時点で人口1,061万人、 そのうち65歳以上が20.7%、75歳以上が10.7%を占めます。

保険ではなく、税でまかなう

スウェーデンの高齢者ケアに介護保険はありません。財源は税で、 提供する責任を負うのは基礎自治体であるコミューン(kommun)です。 根拠となる法律は社会サービス法(Socialtjänstlag)で、 そこには誰にどれだけ出すかを細かく定めた基準は書かれていません。 必要な人が良い暮らしを送れるよう支援する、という枠だけが定められ、 中身の判断はコミューンに委ねられています。 医療は別の主体であるリージョン(region)が担います。 1992年のエーデル改革で、それまで医療側にあった高齢者の長期療養がコミューンに移されました。 病院に社会的な理由で留まり続ける人を減らすことが狙いでした。

必要かどうかを、自治体の職員が判断する

サービスを使いたい人はコミューンに申請し、支援判定員(biståndshandläggare)が 面談と訪問で必要度を見立てます。判定は個別で、点数表に当てはめる方式ではありません。 支援は自宅への訪問(hemtjänst)が中心で、 自宅で暮らせなくなった人は特別住居(särskilt boende)に移ります。 スウェーデンは在宅を優先する方針を長く採ってきたため、 特別住居の定員はかつてより絞られ、入るには重い状態であることが求められます。

利用者負担には上限がある

利用者が払う額には全国共通の上限(maxtaxa)が設けられており、 どれだけサービスを使ってもそれを超えて請求されることはありません。 さらに、生活に必要な分のお金は手元に残ると法律で決められています。 負担能力を超えて取り立てないという考え方が、金額そのものより先に置かれています。

提供者を選べるようにしたが、評価は割れている

2009年に選択の自由に関する法律が入り、コミューンが認めれば 民間や非営利の事業者から利用者が選べるようになりました。 導入するかどうかはコミューンの判断に任されているため、地域によって様子が違います。 選べることで質が上がったという見方と、 事業者が入れ替わることで担い手が定着せず、かえって落ち着かなくなったという見方が並び立っています。

この記述の出どころ
  1. Socialstyrelsen — Äldre/スウェーデン社会庁(スウェーデン語)
  2. Socialtjänstlag (2001:453)/スウェーデン議会(スウェーデン語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合20.7%
75歳以上の割合10.7%
平均寿命83.4
65歳時点の平均余命21.0

スウェーデンの年齢別人口スウェーデンの平均寿命

日本と比べる

項目スウェーデン日本
65歳以上の割合20.7%29.8%
75歳以上の割合10.7%17.2%
平均寿命83.4歳84.9歳
65歳時点の平均余命21.0年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかの国の介護・福祉制度

このページは国連加盟193か国ぶんあります。スウェーデンに近いところから並べました。「未」が付いている国は、まだその国の言葉の一次資料にあたれていないので、 制度の本文がありません。

北ヨーロッパ9か国

ヨーロッパのほか33か国

ほかの地域も開く(150か国)

アジア47か国

アフリカ54か国

アメリカ大陸33か国

オセアニア14か国

北アメリカ2か国

193か国の介護・福祉制度をまとめて見る

出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)