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インドネシアの介護・福祉制度

公開  最終更新

インドネシアは2024年時点で人口2億8,349万人、 そのうち65歳以上が7.3%、75歳以上が2.3%を占めます。

1998年の法律のまま来ている

高齢者の福祉について定めた法律は1998年のもので、60歳以上を高齢者としています。 国と社会が高齢者の福祉を進めるという原則を書いた法律で、 給付やサービスの権利を細かく定めるものではありません。 作られた当時のインドネシアは、人口に占める高齢者の割合がまだ低く、 高齢化は先の話でした。 その前提のまま条文が残っています。 改正の必要はかねて指摘されてきましたが、いまも置き換わっていません。 制度を新しく足すときは、この法律ではなく、 医療や社会保障の側の仕組みに乗せる形が取られてきました。

皆保険はできたが、介護は入っていない

医療は2014年から公的医療保険に一本化され、 加入者の数では世界でも最大級の仕組みになりました。 運営は社会保障の実施機関が担っています。 保険料は所得のある人が払い、 払えない層の分は国が肩代わりする形で、 高齢者の多くもこの仕組みの中に入っています。 ただし、この保険が払うのは医療です。 長く続く介護そのものへの給付は入っていません。 入院するほどではないが一人では暮らせない、という状態の人を支える公的な仕組みは、 まだ用意されていません。

地域の保健所に高齢者の窓口がある

地域では、保健所の下に高齢者向けの健康の集まりが置かれています。 血圧を測り、体を動かし、必要なら保健所につなぐという形で、住民が運営に加わります。 子どもの健診で使われてきた仕組みを高齢者に広げたものです。 運営の中心は地域の女性たちで、 医療職ではなく住民が回している点に特徴があります。 費用が安く、村の中で完結するという強みがあります。 一方で、覆っている範囲には地域の差が大きく、 都市と離島では届き方が違います。 集まりに出て来られる人は見えても、 家から出られない人をどう見つけるかは、仕組みとして解けていません。

施設は少なく、家族が担う

高齢者だけで暮らす世帯は少なく、多世代で住むのが一般的です。 施設に預けることには「家族が見捨てた」という受け取られ方が残っており、 施設の数そのものも限られています。 公立の施設は身寄りのない人を受け入れる場所として位置づけられてきました。 家族がいる人が使う想定になっていないため、 介護に行き詰まった家庭の受け皿にはなりにくい構図です。 一方で、若い世代の都市への移動と出生率の低下は進んでいます。 家族が担えるという前提が崩れたときにどうするかは、まだ決まっていません。

この記述の出どころ
  1. Kementerian Kesehatan Republik Indonesia/インドネシア 保健省(インドネシア語)
  2. BPJS Kesehatan/インドネシア 社会保障実施機関(医療)(インドネシア語)
  3. JDIH Kementerian Sekretariat Negara(法令情報)/インドネシア 国家官房省(インドネシア語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合7.3%
75歳以上の割合2.3%
平均寿命71.3
65歳時点の平均余命14.5

インドネシアの年齢別人口インドネシアの平均寿命

日本と比べる

項目インドネシア日本
65歳以上の割合7.3%29.8%
75歳以上の割合2.3%17.2%
平均寿命71.3歳84.9歳
65歳時点の平均余命14.5年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)