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ポルトガルの介護・福祉制度

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ポルトガルは2024年時点で人口1,043万人、 そのうち65歳以上が24.5%、75歳以上が12.1%を占めます。

医療と福祉がひとつの網を作っている

ポルトガルの長期ケアは、統合継続ケア網と呼ばれる仕組みが背骨になっています。 2006年の政令で作られ、保健を担う省と社会保障を担う省が共同で運営しています。 費用も両方から出ます。 医療だけでも福祉だけでも足りない人がいる、という認識から出発した作りです。 病院を出たあと家に戻るまでのあいだ、 あるいは家で暮らし続けるために手を借りたいとき、 どちらの入口から入っても同じ網の上に乗ります。 入るときは本人が施設に申し込むのではありません。 入院している病院、あるいは地域の保健センターに置かれたチームが 必要の度合いを見て、どこにつなぐかを決めます。 待つ人が多く、判定から入所までに時間がかかることが課題として指摘され続けています。

回復の見込みで居場所が分かれる

網のなかの施設は、想定する滞在の長さで四つに分かれています。 病気やけがから回復する途中の人が短く泊まるところ、 リハビリを続けて家に帰ることを目指すところ、 回復が見込みにくく長く暮らすところ、そして終末期を過ごすところです。 これに在宅のチームが加わります。 地域の保健センターに置かれ、看護と社会福祉の職員が家を訪ねる形です。 施設に入らずに済む人はここで支えます。 同じ「介護が要る」状態でも、 回復する途中なのか、そこで落ち着くのかで行き先を分けるのが特徴です。 どこにいるかによって、医療の濃さも、本人が払う額も変わります。

介護のお金は年金に上乗せする形

現金の給付は、独立した介護給付ではなく年金への上乗せとして払われます。 扶養加算と呼ばれるもので、 年金を受け取っている人のうち、日常の動作を自分でできず他人の助けがいる人が対象です。 程度は二つに分かれ、 自分では起き上がれない、食べられないといった重い状態のほうが額が大きくなります。 判断は医師の所見に基づいて社会保障が行います。 介護保険を独立して作らず、既にある年金の仕組みに乗せたところが ドイツや日本と大きく違う点です。 年金を受け取っていない人はこの上乗せの外にいる、という限界も同時に生まれます。

家族の介護者を法律で位置づけた

2019年の法律で、家族など無償で介護している人の地位が法律に書かれました。 それまで制度の外にいた人たちを、 主たる介護者として登録し、公的な支えの対象にするという転換です。 登録すると、所得を見たうえで手当が出ます。 保健センターには相談相手となる専門職が置かれ、 介護の仕方を教わったり、体調を崩したときに相談したりできます。 一時的に代わって預かる仕組みも用意されています。 ただし手当は最初から全国一律で始まったわけではなく、 限られた地域で試してから広げる形が取られてきました。 法律に書かれたことと、実際に手当が届いている人の数のあいだには、まだ開きがあります。

この記述の出どころ
  1. Complemento por dependência(扶養加算)/ポルトガル 社会保障(Segurança Social)(ポルトガル語)
  2. Estatuto do Cuidador Informal(介護者の地位)/ポルトガル 社会保障(Segurança Social)(ポルトガル語)
  3. Cuidados continuados(継続ケア)/ポルトガル 保健システム中央管理庁(ACSS)(ポルトガル語)
  4. Administração Central do Sistema de Saúde/ポルトガル 保健システム中央管理庁(ACSS)(ポルトガル語)

この国の人口と寿命

65歳以上の割合24.5%
75歳以上の割合12.1%
平均寿命82.6
65歳時点の平均余命21.0

ポルトガルの年齢別人口ポルトガルの平均寿命

日本と比べる

項目ポルトガル日本
65歳以上の割合24.5%29.8%
75歳以上の割合12.1%17.2%
平均寿命82.6歳84.9歳
65歳時点の平均余命21.0年22.6年
国連人口部 World Population Prospects 2024(中位推計)より

日本は、介護にかかるお金を保険でまかなう国です。40歳になった月から全員が保険料を払い、65歳以上になると原因を問わず、40歳から64歳までは老化にともなう決められた病気にあたるときに使えます。運営しているのは市町村と特別区で、国ではありません。

使ったサービスの費用のうち、本人が払うのは原則1割です(所得が高い人は2割・3割)。残りは保険から出ます。介護そのものを現金で受け取るしくみは無く、給付されるのはサービスです。

日本の制度をもっと詳しく
日本の介護制度の解説は、姉妹サイト「介護の窓口」にあります。どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかの国の介護・福祉制度

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出典
  1. United Nations, World Population Prospects 2024(国連経済社会局人口部。中位推計)
  2. 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)(デジタル庁 e-Gov 法令検索。第3条・第9条・第41条)